・軽い装備のはずなのに肩が痛い
・何をどこに詰めるのが正解?
・パッキングの手順を知りたい
パッキングひとつで、ULバックパックの背負い心地は劇的に変わります。
フレームレスの弱点を技術で補い、体感重量を軽くするパッキング術を解説します!
この記事では、実際のギアを使用したULパッキング手順を紹介しています。
✔️ UL(ウルトラライト)歴
カル吉@ul_compass
✅ UL登山歴8年目
(縦走・ロングトレイル・源流タープ泊)
✅ ベースウェイト3kg未満
(現在のギアリスト)
✅ ULギア投資額200万円超
(個人輸入実績◎)
無限の好奇心でUL情報をシェアしてます。
軽量化の『スキルとノウハウ』で気軽に身軽に自由にハイクを楽しみましょう!
ULに多いフレームレスのバックパックは、「一般的なパッキングの基本」だけでは通用しません。
それは、ギアの軽量化が進むと、ベースウェイトより「食料&水」の方が重くなるからです。
この重量の逆転現象が起こるからこそ、パッキング技術の差が顕著に出るのです。
そこで、最新のギアリストを使いながら、すぐに実践可能なパッキングの手法を公開します。
ギアの性能を引き出す、実践に基づいた理論と手順を徹底解説していきます!
ULパッキングは技術
ULパッキング「3つの基本」
ULバックパックのパッキングにおいて、最低限これだけは意識しておきたい「3つの基本」をご紹介します。
これらを意識してパッキングしてみてください。
「擬似フレーム」を作る

ULバックパックには、金属製のフレームや背面パッドがないことがほとんどです
ペラペラのままでは、硬いギアが背中に当たるなど背負い心地が悪化します。
そのため、パッキングを工夫してバックパックの「骨格」を構築する必要があります。
具体的な「フレーム」の作り方は、主に以下の3つです。
マットの形状やバックパックの容量に合わせて、最適な方法を選びましょう。
「デッドスペース」をなくす

小分けや圧縮をしすぎると「融通の利かない塊」となり、周囲にデッドスペースが生まれます。
この隙間による荷物の揺れが、実重量以上にバックパックを重く感じさせる正体です。
小分けや圧縮を「あえて」最小限にとどめ、大きなパックライナーへまとめて詰め込みます。
シュラフや着替えが柔軟に広がる余裕を持たせることが、デッドスペースを生まないコツです。
「肩甲骨」に荷重を集める

重い荷物は、身体に近い「肩甲骨の高さ」に配置しましょう
重心が体に近づくほど歩行時のブレが抑えられ、体力の消耗を最小限にできます。
とはいえ、ギアが軽いULハイクなら難しく考える必要はありません。
下部にシュラフや衣類、その上にクッカーや食料を重ねるだけで、自然と理想的な荷重バランスに仕上がります
【実践】ULパッキングの手順解説
ベースウェイト2.8kg、最新の「ギアリスト2.0」を実際にパッキングしていきます
これらのギアをパッキングしていく手順を、写真とともに解説します
メインポケット|パッキングの要「大容量スペース」
メインポケットは、バックパックの「シルエット」と「背負い心地」を左右する土台です。
マットでフレームを形成し、内圧で遊びを「抑え込む」のが、ここでの一番のポイントです。
マット1枚を「フレーム」に変える
パッキングの土台となる「擬似的なフレーム」を構築する工程です。
バックパックの内側にスリーピングマットを配置していきます。
01|コンプレッションをすべて緩める

最大容量を引き出すため、コンプレッションコードなどは全て開放します。
02|マットを小さく丸める

バックパックの中にスムーズに挿し込めるよう、本体の径より一回り小さく丸めます。
03|重なりを外側に向ける

背中への違和感を防ぐため、マットの端(重なり)が背中と反対側にくるよう調整します。
04|内壁に沿って広げる

底面にマットを押し当てながら、少しずつ内壁に沿って広げます。
マットの反発力を利用して、「内壁を外側に押し広げる力」を意識するのがコツです。
内圧で「無駄な空間」を埋める
行動中に取り出す必要のないギアから順にパッキングしていきます。
内圧を高めて、バックパック内の隙間を「ゼロ」に近づけます。
01|ライナーを「ゴミ袋」のように被せる

ゴミ箱にゴミ袋を被せるように、ライナーの縁をマットに引っ掛けると作業がスムーズです。
マットが内壁に密着していれば、パッキング中にフレームが崩れることはありません。
02|シュラフと着替えで「底」を固める

テント場でしか使わないものを一番下に詰め込みます。
適度に圧縮しながら詰めれば、その圧力でライナーがバックパックの形状に沿って自然に広がります。
03|クッカーなどの「硬いもの」を置く

次にクッカー・充電器類・コジーに包んだ燃料ボトルを順に置きます。
マットが壁の役割を果たすため、硬いギアを入れても外形は綺麗なままです。
04|最上部の防寒着で密度を高める

休憩時にすぐ取り出せるよう、最後に防寒着を押し込みます。
これでライナー内へのパッキングはすべて完了です。
05|ドローコードを「縛り上げる」

ドローコードを絞り、余ったコードを口の部分にぐるぐると巻き付けて縛り上げます。
このひと手間が開口部の隙間を極限まで抑え、浸水のリスクを最小限に抑えます。
「重心を操る」仕上げの工夫
パッキングの完成度を左右する、重心をコントロールするプロセスです。
重い荷物を「最適な位置」へ「フィットする状態」で配置していきます。
01|食料バッグを「逆さま」にセットする

食料・スプーン・歯ブラシを入れたスタッフサックは、口を閉じて上下を逆に入れます。
あえて開口部を下にすることで、万が一の浸水からも中身を守れます。
02|浄水器は「9割」の状態で背中側へ

1番重い水(浄水器)は、最も重心が安定する背中側に配置します。
このときフラスクの中身を「9割」に抑えておくのがポイントです。
あえて「遊び」を作ることで、バックパックや他ギアの凹凸に柔軟にフィットします。
03|全体をコンプレッションして完成

外側のコードを左右均等に引き、中身を固定します。
マットの「芯」があるため、絞るだけで美しい筒状に仕上がります。
余ったコードは、引っ掛かりを防ぐため、隙間に挿し込んでおきましょう。
フロントメッシュ|メインを濡らさない「隔離スロット」
歩行中にサッと取り出したいものや、撤収時に濡れているギアはここへ収めます。
メッシュの伸縮性を活かし、外へ膨らまないよう「平らに整えて」入れるのがコツです。
01|グランドシートを一番下に挿し込む

マチが少ないポケットの底部には、薄手のグランドシートを挿し込みます。
02|シェルターをその上に重ねる

グランドシートの上に挿し込むように収納します。
この位置なら設営・撤収が簡単で、結露した状態でもメインの荷物を濡らさずに済みます。
03|レインジャケットを上部に入れる

すぐに羽織れるよう上に配置し、グローブはあらかじめポケットに仕込んでおきます。
フード内に畳んで収めれば、着るほどでもない小雨でも内側を濡らさず済みます。
サイドポケット|ノールックで挿せる「縦長スリーブ」
背負ったままアクセスできる特性を活かし、利き手や頻度で左右を使い分けます。
余裕を残せば重心の偏りを防げ、ゴミや小物を収める「予備空間」としても有効に活用できます。
01|トレッキングポールを右側に挿す

路面状況に応じて素早く出し入れできるよう、利き手側に配置します。
枝への引っ掛かりを防ぐため、グリップ側を下にして挿し込むのがコツです。
02|スコップとペグを右側にセットする

整地にも使うトイレスコップはペグとセットにし、右ポケットへ収めます。
設営に必須の道具をまとめることで、到着後の作業がスムーズになります。
03|トイレットペーパーを左底に収納

水濡れ厳禁のペーパーは、ジップロックに入れて左ポケットの底に収めます
04|レインパンツを左側に単独収納

上下の取り違えを防ぐため、あえてジャケットとは別の左ポケットに収納します。
悪天候時でも迷わず、必要な方を一発で取り出すための工夫です。
ショルダーベルト|最短距離で潤う「給水スポット」
こまめな水分補給や気温の確認をスムーズに行えるよう、必要な装備を配置しています。
01|ウォーターボトルを左側に挿す

右利きでアクセスしやすいため、左側のボトルホルダーに収納します。
歩きながらでもストレスなく、最短の動きで水分補給するための工夫です。
02|温度計を右側に装着する

気温の変化を即座に把握し、適切なレイヤリングを判断するために装着します。
右ショルダーはあえて何もつけず、温度計の視認性を最優先にしています。
ファニーパック|常に身につける「0秒アクセス」
バックパックを下ろさず手に取りたいスマホや行動食、ファーストエイドなどをまとめています。
01|スマホを外ポケットに入れる

地図の確認や写真撮影で頻繁に使うため、出し入れしやすい外ポケットに入れています。
02|財布と救急セットを内側メッシュに入れる

紛失を防ぎたい財布や救急セットは、ファスナー付きのメッシュポケットに収納します。
視認性の高いメッシュなら、中身をひと目で確認できて安心です。
03|エマージェンシー小物をサイドポケットに収める

万が一に備え、マルチツールやヘッドライトは内側のサイドポケットに収めます。
小さな道具も定位置を決めることで、暗闇や緊急時でも迷わず手に取れます。
04|頻繁に使う装備をメインポケットに入れる

出し入れの多いグローブや行動食などは、メインポケットにまとめています。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
ULパッキングは単なる「作業」ではなく、バックパックの「骨格と重心」を設計するクリエイティブな行為です。
しかも、ギアを「入れる順番と定位置」を決めれば、準備のスピードは上がり、忘れ物も自然となくなります。
この3つのポイントを意識するだけで、背負い心地は劇的に変わります。
「物理的なグラム数」は減らせなくても、パッキング技術により「体感的な重量」は確実に軽減できます。
これは実質的に、数万円を投じてギアを買い換えるのと同等、あるいはそれ以上の「軽量化」に匹敵する効果があります。
内容について分からないことや、パッキングの相談などがあれば、ぜひお気軽にコメント欄で教えてください。