クッカー

【TMR W.R.Cookerレビュー】ULにおすすめしない10の理由

2023年10月24日

TMR industriesのW.R.Cooker

 

オモ太
・TMRのクッカーが気になる
・本当にお湯は速く沸くの?
・ULにおすすめのクッカーなの?

 

最近、SNSでも見かける機会が多くなったけど、クッカーとしては高すぎる金額に足踏みする人も多いはずです。

そこで、【実測72g】TMR industries W.R.Cookerをレビューします!

 

この記事でわかること

  • ULクッカーのスペック
  • 沸騰実験(実際の写真付き)
  • このギアをULにおすすめしない理由

この記事では、高効率アルミクッカーの「レビュー」と「ULにおすすめしない理由」を説明しています。

 

✔️  UL(ウルトラライト)歴

カル吉@ul_compass

✅  UL登山歴6年目
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アルミの削り出し加工により、水温3℃の水350mlを1分半で沸騰させるクッカーをご存知ですか?

しかもクッカーの重量はわずか72gです。

 

これが本当であれば、湯沸かしがメインのULの最強クッカーになるはずです。

沸騰実験結果とともに「このクッカーがULにはおすすめしない理由10」を紹介します。

 

カル吉
HPのスペックだけ見れば神クッカー

 

 

 

TMR industries|W.R.Cooker

TMR industriesとは

TMR industriesのW.R.Cookerの公式ホームページ

出典:TMR industries

 

TMR industriesは、職人の技術で登山道具を制作する日本のメーカーです。

主力ラインナップには、アルミ削り出しのクッカーがあります。

 

ギアスペック

TMR industriesのW.R.Cooker

メーカー TMR industries
アイテム W.R.Cooker
重 さ 実測72g
サイズ 幅 99mm
高さ 87mm
容 量 推奨 350 ml / MAX 450 ml
素 材 アルミニウム (A5056)
価 格 17,500円

 

 

燃焼実験(沸騰速度)

本当に3℃のお湯を1分半で沸騰させることが可能か実験してみました。

今回は、チタンクッカーも一緒の条件で沸騰速度を計測しました。

実験環境

・気温20℃(室内無風)
・水の量200ml
・水温約15℃
・アルコールストーブ(使用ギアはこちら
・アルコール燃料15ml
・五徳兼風防(使用ギアはこちら
・蓋なし

 

アルミクッカー(W.R.Cooker)

期待外れの約3分半でようやく沸騰しました。

TMR industriesのW.R.Cooker沸騰速度実験

 

チタンクッカー(FREELIGHT Titanium Pot UL-380H)

まさかの30秒も速い約3分で沸騰しました。

使用したクッカーはこちらです。

TMR industriesのW.R.Cookerとの沸騰実験比較

 

実験結果

当初、水量380mlで実験しましたが、『W.R.Cooker』が約6分経過(アルコールストーブ消火)しても沸騰しなかったため、水量を200mlに減らしました。
※『FREELIGHT Titanium Pot UL-380H』は5分で沸騰しました。

 

アルコールストーブでは、水量を減らしても公式HPに記載の1分半の倍以上の時間がかかりました。

まさかのチタンクッカーの方が30秒も速く沸騰しました。

実験時の動画はインスタグラムにUPしていますのでご覧ください。

 

 

ULにおすすめしない10の理由

沸騰実験の結果から、ガスストーブでなければ速くお湯が沸かないことがわかりました。

固形燃料やアルコールストーブを使用する場合、このクッカーを購入するメリットは限りなく小さいと思います。

 

沸騰速度はガスストーブ記録

公式サイトに記載の沸騰速度『水温3度 水350ml 1分30秒』は、ガスストーブ使用時の記録です。

 

ガスストーブとの組み合わせは重い

軽量なガスストーブと110缶を持つと最低でも200gは超えます。

 

アルコールストーブの沸騰速度は平凡

アルコールストーブ使用時の沸騰速度は、普通のチタンクッカーと大差がありません。

 

ススが発生する固形燃料は△

底面にアルミ箔をかぶせるなどの対策ができず、付着したススを落とすのも面倒です。

 

クッカー単体としては高額すぎる

17,500円あれば、ストーブ付きのジェットボイルを購入してもお釣りがもらえます。

 

ガス缶収納時に落とすと危険

クッカー内部とガス缶の直径の差が1mm以下のため、収納時に落として凹むと取り出しが不可能となる可能性があります。

 

パッキング時に底面加工が邪魔

単体でスタッフサックに入れて収納しないと、底面の突起で他のギアを傷つける可能性があります。

 

蓋がなく沸騰効率が悪い

沸騰効率を考えると蓋を自作するか、サイズが合うものを購入する必要があります。

 

チタンと比べると柔らかいアルミ素材

チタンの方がアルミよりも強度が高く、同じ強度であればチタンクッカーの方が軽量です。

 

五徳と相性が悪いと危険

底面の突起が五徳に引っかかり、持ち上がったり倒れる可能性があり大変危険です。

 

 

まとめ

最後までお読みいただきありがとうございます。

結論は、『ガスストーブを使用しない限り、このクッカーである必要はない』です。

 

脅威の沸騰速度は、ガスストーブを使用した場合にのみです。

アルコールストーブや固形燃料では、チタンクッカーと何ら違いはありません。

 

沸騰速度の計測時に使用した火器の記載はなく、商品ページにアルコールストーブを使用する写真が使用されています。

このページを見て、アルコールストーブでも沸騰速度が向上すると勘違いする人も多いのではないでしょうか?

 

沸騰実験からもわかるようにアルコールストーブ使用の場合、チタンクッカーと大差はありません。

次のクッカーシステムであれば、このクッカーよりも軽く、しかも断然コスパ良く揃えられます。

【69g】のクッカーシステム

超軽量なお湯沸かしセット(全てエバニュー製品)

クッカー:【34g】Ti 400 NH
蓋  :【13g】mulTidish
ストーブ:【13g】BLUENOTE⁺stove
風防 :【9g】Ti 9G Windshield

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