・ベアスプレーと対人スプレーの違いは?
・スコヴィル値(SHU)ってなに?
・威力の単位が違くて比較できない
ベアスプレーの代用として、軽量でコンパクトな対人スプレーを検討したことはありませんか?
そこで、ベアスプレーと対人スプレーの違いを整理するとともに、両者の威力を正しく比較する方法を解説します!
✔️ 筆者のULスペック
カル吉@ul_compass
✅ UL登山歴8年目
(縦走・ロングトレイル・源流タープ泊)
✅ ベースウェイト2.8kg
(現在のギアリスト)
✅ ULギア投資額200万円超
(個人輸入実績◎)
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軽量化の『スキルとノウハウ』で気軽に身軽に自由にハイクを楽しみましょう!
大きくて重いベアスプレーの代わりに「コンパクトで軽量な対人スプレーが使えないか?」とカル吉も考えたことがあります。
しかし、成分濃度の表記単位が異なるため、ベアスプレーに匹敵する性能があるのか見極められません。
これでは、クマ撃退効果を正しく把握できず、安全性を犠牲にして軽量化を選択してしまう恐れがあります。
そこで、バラバラな単位を統一して「両者の性能差」を正しく比較する方法を詳しく解説します。
正しい比較で安心の備えを
ベアスプレーと対人スプレーの違い

ベアスプレーと対人スプレーは、どちらも唐辛子成分を使用していますが、その濃度や噴射パターン、内容量に大きな違いがあります。
それぞれの主な違いを以下の比較表にまとめました。
| 項目 | ベアスプレー | 対人スプレー |
| 用途 | クマ・大型野生動物の撃退 | 人間(不審者)からの護身 |
| 主成分 | OC(オレオレジン・カプシカム) | OC(オレオレジン・カプシカム) |
| 濃度 | 1.0〜2.0%程度 | 0.2〜1.3%程度 |
| 濃度表記 | 主要カプサイシノイド濃度(MC) | スコヴィル値(SHU) |
| 噴射距離 | 長い (7~12m以上) | 短い (3~6m程度) |
| 噴射時間 | 長い (6~9秒程度) | 短い (1~3秒程度) |
| 噴射パターン | フォグ型 (霧状で広範囲) | ジェットストリーム型 (液状で直線的) |
| 内容量 | 大容量 (230g以上が多い) | 少量 (20〜100mlが多い) |
| 本体重量 | 重い (300g以上) | 軽い (50~150g程度) |
| 本体サイズ | 大きい (20cm以上) | 小さい (10cm程度) |
スコヴィル値(SHU)とは?
比較表にあるとおり、対人スプレーのスペックは一般的に「スコヴィル値(SHU)」で表記されます。
ここでは、スコヴィル値の意味とその計算のしくみについて説明します。
SHUは「辛さ」の共通指標

スコヴィル値(SHU)は、唐辛子の辛み成分「主要カプサイシノイド(カプサイシンなど)」の含有量に基づいて、辛さの強さを表す単位です。
元々は、唐辛子エキスを砂糖水で何倍に薄めれば辛みを感じなくなるかを測定した数値で、世界共通の「辛さの基準」となっています。
SHUの計算方法

スコヴィル値(SHU)は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)で測定した主要カプサイシノイド含有量をもとに算出します。
ここでは、国際的に認められた公定法に基づく標準的な計算方法を紹介します。
SHUをMCに変換する方法
対人スプレーとベアスプレーの威力を比較したい場合、スコヴィル値(SHU)を主要カプサイシノイド濃度(MC)に変換するのが確実です。
計算方法はとてもシンプルで、次の2ステップだけです。
SHUから含有量(μg/g)を計算
まず、スコヴィル値(SHU)を「15」という係数で割り、成分の含有量を算出します。
これは、SHUを算出する際に「含有量 × 15」という計算を行っているため、その逆算が必要になるからです。
ステップ1
主要カプサイシノイド含有量(μg/g) = スコヴィル値(SHU) ÷ 15
含有量を重量(%)に変換
次に、主要カプサイシノイドの「1gあたりの含有量(μg /g)」を「重量パーセント(%)」に変換します。
「10,000 μg/g = 1%」という関係を利用して、ステップ1で求めた値を10,000で割ります。
ステップ2
主要カプサイシノイド濃度(%) = 主要カプサイシノイド濃度(μg/g) ÷ 10,000
簡単な計算方法:SHU ÷ 150,000
これら2ステップをひとつの式にまとめると、とてもシンプルになります。
スコヴィル値(SHU)を「150,000」で割るだけで、「主要カプサイシノイド濃度(MC)」に換算できます。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。
ベアスプレーと対人スプレーは、同じ唐辛子成分を使いながらも濃度・噴射距離・内容量などが大きく異なります。
また、成分濃度の比較にはスコヴィル値(SHU)を主要カプサイシノイド濃度(%)に変換する必要があります。
算出した主要カプサイシノイド濃度(%)が1.0%を大きく下回る製品は、クマ撃退用としてはスペック不足である可能性が高いです。
なお、成分濃度がEPA登録済みベアスプレーに多い1.0~2.0%の範囲でも噴射距離や噴射パターンも含めて総合的に判断することが重要です。
「軽量だから」という理由だけで選ばず、スペックの正体を正しく理解した上で、自分の用途に合った1本を選ぶようにしましょう。